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ヨーロッパの個人情報保護事情ーGDPR(一般データ保護規則)ーについて

2020年9月29日

みなさんは欧州連合(EU)の一般データ保護規則(英:General Data Protection Regulation、GDPR)をご存知でしょうか。2016年に公布され、2018年5月から施行されている個人情報保護法です。民間企業の業務に影響を与える法律であり、欧州連合の市場規模を考えれば、日本企業も無視できない条例です。以下に簡単にご説明させていただきたいと思います。
GDPR は欧州連合の全加盟国(現在27か国)に施行されています。EU法によると、規則(英語ではregulation、フランス語ではrèglement)は指令(英語もフランス語もdirective)とは違い、直接的に加盟国の法律となるため連合全領域に統一して実施されます。

GDPRの方向性は以下の三つです:
1) 個人情報データの保護強化
2) 個人情報データを扱う業者・組織の責任明確化
3) 個人情報データ扱いの監視機関権限強化

個人データを取り扱う企業は、GDPRで問題にならないようにするため、下の助言を遵守する必要があります。
1) 目的達成のためだけのデータしか収集しないこと
2) 透明性を保つこと
3) 個人情報主体の権利行使を確保すること
4) データの保存期間を定めること
5) リスクを認識し、データの保安に努めること
6) GDPRへの対応を継続的なプロセスにすること

日本企業も、EU諸国から個人データが含まれるデータを受け取る場合は、注意が必要です。もし違反すると、年間売り上げの4%、あるいは2000万ユーロ(どちらか高いほう)の罰金を課せられるとなります。また、日本の個人情報保護法などとの違う点はいくつかありますが主要点を下記に記します:
1) GDPRでは、クッキーやIPアドレスが個人情報であることが明記されていること。
2) GDPRでは、開示義務が広い(ユーザーの権利、保存期間など)こと。
3) GDPRでは、個人情報主体はいつでも同意を撤回できるように、撤回方法は容易でなければならないこと。いわゆる「忘れられる権利」があり、違反がなくても削除できること。

また、日本では個人情報保護の適切な措置をとる会社にプライバシーマークがありますが(フランシールも取得していますが)、ヨーロッパでは同様のしくみは特になく、全世界共通のISO27701がそれに相当します。(ノブル)

オンライン通訳の注意点

2020年9月15日

9月になり、「オンライン会議の通訳を依頼したい」というご依頼をいただく機会がぐっと増えました。お客様がリモートで行う会議の逐次通訳です。逐次通訳ですので(話者→通訳→話者→通訳と順番に話す)、機材を準備する必要はありません。オンライン会議なので通訳はオンラインでも対応できるのですが、今のところ圧倒的に多いのが、「通訳にお客様のオフィスに来てほしい」というお問い合わせです。

通訳はお客様のオフィスに伺い、事前に会議の背景やその日の議題について説明を受け、会議中は話者の隣に座って通訳を行います。話し相手はオンライン上の画面の中にいますが、お客様も、通訳も、これまでの一般的な逐次通訳と全く同じ環境で業務を行うことができます。

さて弊社では、オンライン通訳について現場の通訳者にヒアリングを行っています。オンライン会議自体がまだ始まったばかり。どのようにすればお客様や通訳にとって仕事をしやすくなるのか、実際に社内会議をリモートで行うなど(テレワーク中の会議①テレワーク中の会議②)、関係者の意見を集め、検討を重ねています。

今日はその一部をご紹介させていただきたいと思います。通訳の傭上をご検討中の方も、そうでない方も、オンライン会議の準備をする際の参考にしていただければ幸いです。

●事前に接続テスト(リハーサル)を行う。
会議を始める15~30分くらい前から参加者全員で接続を開始して、準備をしておくことをお勧めします。新しく会議に接続する場合、最初の数分はデータ負荷が大きくなり、その後徐々に安定するそうです。回線トラブルを避けるためにも、時間に余裕をみて早めに接続しておくことが大切です。マイクとスピーカーのテストもお忘れなく。

●接続はWiFiよりも有線での接続が好ましい。
日本国内でも通信インフラが安定しているとは言えません。特に自宅から参加する場合は要注意です。

●参加者はできるだけヘッドセットを使用する
PCの内蔵マイクは、話し声以外の雑音も拾ってしまう、音が聞き取りにくいなど、通訳からのトラブル報告No.1です。会議の参加者にはできるだけヘッドセット又はマイクを使用するようにお願いします。会議室用のマイクスピーカーフォンを使用する場合は性能の良いものをご使用ください。

●出席者のリストを事前に作成して参加者に共有する
話していて誰が誰なのかわからない、という声も多いです。Zoomの表示名はリストと同じ名前にするようあらかじめ参加者に伝えていただくと良いかと思います。(表示名は簡単に変更ができます)

●話していないときはマイクをミュートにしましょう。
通訳にとっては、雑音が最大の敵となります。

●事前に議題もしくは進行表をご準備ください。
オンラインの場合、話し始めるタイミングがちょっと難しいのではないかと思います。発言を仕切る進行役がいるとスムーズです。簡単なメモでも構いませんので事前にアジェンダあるいは進行表をご準備いただけると助かります。

●画面共有などで使用する資料は、事前に通訳に共有をお願いします。
突然その場で見せられた書類を翻訳するというのはかなり難易度が高いです。事前に資料を送ってくれたら5分で理解できたのに…と通訳は考えます。通訳が正しい情報を伝えるためには、とにかく事前のインプットが肝心なのです。なお、ビデオ映像の場合、その場で通訳はできませんので映像資料を使用する場合はご注意ください。

●(同時ではなく)逐次通訳ですので一人ずつ順番にお話ください。

最後は通訳からのお願いのような内容になってしまいましたが、安くない金額で通訳を使っていただくからには、最大のパフォーマンスを発揮して、お客様のプロジェクトの成功をお手伝いしたい!!と、通訳もエージェントも心から願っています。お客様がコロナ禍を乗り切るお手伝いができるよう、これからもフランシール一同で頑張ってまいります。お客様からのご意見やご要望などもぜひお聞かせください。(上畑)

オンライン同時通訳とは?②

2020年9月4日

前回の記事(オンライン同時通訳とは?①)から少し時間がたってしまいましたが、今回はZoomのウェビナー機能を使ったオンライン同時通訳について書きたいと思います。

なお、緊急事態宣言以降、RSI(遠隔同時通訳)の技術はまさに日進月歩しており、進化は止まりません。このブログに記載する情報は2020年9月現在のものであり、今後も更新されますのでご注意ください。

お客様がZoomのウェビナー機能を使ったセミナーに同時通訳を付けたい場合、Zoom(有料版)に搭載された「言語通訳機能」を使用することができます。とても便利な機能で、参加者は画面下にある通訳ボタンで言語を選択するだけでOK。

ただし、この機能は通訳者側にとってはまだ運用上の問題がいくつかあり、ただ通訳を2~3名用意すればよいという具合にはいきません。そこで弊社では、前回の記事(コロナ禍での遠隔セミナー)でご紹介した通訳センター、REBASE東京から遠隔で同時通訳を行う方法をご紹介させていただいております。

実際の流れはこうです。ホストがZoomでウェビナーを開催すると、インターネットを経由してREBASE東京に届きます。通訳者はREBASE東京にある通訳ブースで同時通訳を行い、その音声はまたインターネットを介してウェビナーに届く… 。この方法を使えば、カメルーン人がフランス語で行うプレゼンを、東京で英語に通訳して、ケニアや南アフリカにいる参加者に届けることができるわけです。遠隔通訳を初めて見たとき、アラフィフの私は、技術の進化に心底感動してしまいました。

現在、さまざまな遠隔同時通訳インターフェースがリリースされていますが、この方法の最大のメリットは、参加者が通訳音声をZoomの言語ボタン一つで簡単に聞くことができる、つまり「どの国の参加者にとっても、簡単で使いやすい」という点です。

実際にウェビナーに参加してみると、Zoomから「通訳音声が聞けますよ」というメッセージが表示され、上の写真にある言語バーをクリックするだけで、通訳音声を聞くことができました!

もちろん遠隔であるが故のデメリットやリスクもありますが、現状ではエンジニアのサポートによって、安定した通訳をお届けすることができています。

(遠隔通訳の音声は、エンジニアが最適な状態に調整したうえでウェビナーに流れます。)

オンラインでのセミナーをご検討中の方はぜひご相談ください。

次回は、オンライン通訳をご依頼いただく際の注意点について書きたいと思っています。
なるべく頑張って早急に書きますので、よろしくお願いいたします。(上畑)

話す機械

2020年8月25日

様々な国籍の社員が出社しており、母国語も文化もバラバラなフランシールでは、異文化交流することが日常の風景です。そして日本人にとっては当たり前でも、日本在住の外国人にとっては不思議だと思える事がたくさんあります。今回の記事は、その一つの不思議な事から始まった会話を紹介します。以前の「オーライと往来」の記事にて、トラックがバックする時に誘導するための言葉の話が紹介されましたが、今回の話はその日の会話の続きになります。
毎日、新型コロナウイルスの情報が取り上げられるこのコロナ渦の中、コロナの関係ない記事を投稿し、少しでも気分転換になれば幸いです。

「そういえば、車の『バックします、バックします』と言ってくれる機能は、みんなの国にはある?」
と尋ねるナベタさん。
「ないね・・・!」と外国人の皆さんが答える。
「そうなんだ!」とびっくりするナベタさん。
そして、カナダ人である私が答えました。
「そうそう、カナダの車はそういう機能がある車は声より、「ピーピーピー」という音がしますよ。」

そこから私が頭に浮かべたのは、約10年前留学生として初めて来日した私でした。
日本は、私が生まれ育ったカナダのモントリオール市とあまりに離れているので、文化や習慣、気候、食文化、言葉、ほとんど全部が違っていて、全部が新鮮でした。
文化の違いは想像していましたが、当時、一番印象的だったのは、とても単純なことでした。
それは、日本では、「話す」機械が多いことです。
電車ももちろん、そして券売機、信号、ATM、エスカレーター、救急車と消防車、お風呂の給湯器も…。
逆に、「話さない」機械が珍しいくらい、機械がよく話しています。
それは、なぜでしょうか?
日本人の友達や同僚に聞いてみても、わかりません。

日本は、上下関係文化が独特で、社会の色々な場面で、相手やものに対して尊敬を表す言語や作法がたくさんあります。そして、細かいことでも気を配り、丁寧に行動します。
機械が作れるようになった時は、既存の尊敬文化を機械でも参加できるように、話す機能を統合したのでしょうか。機械が話せることによって、使用者に対して指示を丁寧に説明するために人間の声に決めたかもしれません。
「話す機械」の特徴は、そちらから来たのかなと、私は思っています。
あくまで私の仮設ですが。
皆様はどう思いますか。

現在に至って、社会人として日本に在住している今の私が、逆にカナダに帰国するときは、機械が静かで、毎回びっくりしているんです。
上記のようにの「日常の風景」はやはり、この世の中に数えきれないほどあるからこそ、異文化交流が興味深いですね。 (マドレーヌ)

フランスの今年の言葉”CONFINEMENT”について

2020年8月14日

今年はフランスやイタリアをはじめ、コロナ禍で外出禁止令が施行された欧州諸国で1957年にノーベル文学賞を受賞したフランス人小説家アルベール・カミュの代表作「ペスト」に対する関心が高まりました。1947年に出版されたこの物語りの舞台は1940年のフランス領アルジェリアのオランという、黒死病に襲われ封鎖された港町です。そういった過酷な状況における人間が経験する不安や恐怖は、新型コロナウイルスによって日常生活の激変に見舞われる現在の人たちの心にも響くところがあったんでしょう。

さて、本題に入りましょう。フランスに毎年「言葉祭り」が開催され、その時に「今年の言葉」が選ばれます。2020年度の「今年の言葉」は、もちろん、「confinement 」です。元々は「閉じ込め」や「隔離」の意味で囚人の状態を表すためによく使われていた単語で、現代は特に原子力事故や化学災害の際の対応措置を指します。ただし、不思議なことに、「ペスト」には、「confinement」や動詞「confiner」は一切出てきません。その代わりに見受けるのは「quarantaine」という言葉です。数字の「40」をフランス語で「quarante」と言うため、フランス語学習者にとっては少し馴染みのある単語かもしれません。「検疫」の意味の「quarantaine」は中世イタリアからきて、当時は感染症が流行している船舶の乗員は40日間上陸できずに船内での待機を余儀なくされていたことが語源になります。病気によって検疫期間が変わるものの、単語は17世紀から変わっていません。

最後に、この度のコロナ禍では14日間の隔離が必要とされていることから、「quarantaine」に倣って「quatorzaine」という単語も使用されるようになっています。感染症関連の文脈で「14日間の検疫」という意味になります。(ノブル)

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